英語力と年収は密接な関係あり!?

グローバルの波が押し寄せている現代。企業の多国籍化や外国人の増加など、昔よりも英語が必要な仕事が増えています。しかし、仕事であまり英語を使う機会がなかったり、海外転勤のない会社で働いたりしている人は、漠然と英語ができたほうが良いとは思っていても、英語の必要性についてそこまで深く考えることはないのではないでほうか。

でも、英語ができることで仕事の幅が広がるということは、さまざまな調査が教えてくれています。また、収入の面でも英語力が高いほうがメリットがある……となったら、英語ができたほうが良いのは明らかですよね。そこで今回は、英語力と年収の関係性に迫ってみたいと思います。

世界から見た日本人の英語力は?

日本人は中学から義務教育で英語を教えられるのに、英語が話せない人が多いと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。

英語を母国語としない世界の主要な国80カ国のうち、日本の英語能力ランキングは、2017年度の調査によると、37位という結果でした。(イー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンによる2017年度の国別英語能力指数(EF EPI)による)他のアジアの国々と見てみると、マレーシア13位、フィリピン15位、香港29位、韓国30位……ということになっていますから、かなり大きく差をつけられているといえるでしょう。

語学力と年収に関する調査

語学力と年収について、いくつかの調査から関係性を見てみましょう。

まず、ハイクラス向け転職サイトを運営する「ビズリーチ」の調査によると、年収750万円以上のビジネスパーソンは英語レベルが高い人ほど年収が高く、年齢が上がるほどその傾向は高まっているという結果が出ました。

英語力レベル 平均年収
ネイティブレベル 1354万円
ビジネスレベル 1174万円
日常会話レベル 1037万円
基礎会話レベル 1003万円
英語を話さない 976万円

これは、英語力のレベル別の平均年収を表にしたものです。実に、ネイティブレベルと英語を話さない人では、平均年収で378万円の差があることが分かります。

また、転職サイトDODAの調査でも、TOEICのスコアが高いほうが年収が高いという結果が出ています。

TOEICテストスコア 平均年収
900点台 573万円
800点台 546万円
600点台 505万円
500点台 495万円
400点台 502万円
スコアなし 423万円

この表を見ると、400点~600点台では平均年収にほとんど差がありませんが、700点台以上になると、TOEICのスコアが高いほど年収も多くなっているのが分かります。
また、全体の平均年収446万円と比べると、TOEICスコアなし(未受験)の人は平均より年収が低いのに対して、スコアを持っている人の平均年収は平均を大きく上回っているのも注目すべき点です。

そして、情報サイト開発・運営の株式会社キャリアインデックスによるCareerIndex年収・転職 実態調査では、<年収700万円以上の人は約半数(48.7%)が英語での日常会話や読み書きが出来ると回答しました。年収500万円から700万円未満の人では34.0%、年収500万円未満では22.4%となり、英語力と年収の明らかな相関が見られる結果となっています>というレポートが出ています。

こういった調査から語学力と年収の関係性を導き出すと、英語力が高い人ほど年収が高くなっているのは確かなようです。

英語力は転職にも有利に働く?

このように複数の調査から、年収が高い層ほど英語力も高いという結果が出ているのですが、これは、転職という意味でも英語力が高いほうが有利ということになるのでしょうか?

これについては、DODA転職支援サービスが2014年に行った、「英語力と転職成功率の関係」についての調査を見ると分かります。金融専門職やメディカル系専門職、モノづくり系エンジニアなどの職種における転職成功率について、TOEIC受験者の方がTOEIC非受験者よりも高いという結果が出ているのです。これらの職種の共通点は、どれも海外を相手にした業務が多いこと。ということは、日常業務で英語が必要になることが多いと思われ、そういう仕事に転職したいと思ったら当然、英語力の高さが有利に働くのでしょう。

つまり一般的に、専門的な知識があれば転職に成功しやすいことは当然ですが、グローバル化が進んでいく社会の中では、今後、英語力が転職時にも有利に働く可能性はどんどん高くなっていくのではないでしょうか。